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外壁塗装のノウハウ

このページでは、外壁塗装に関連する詳しい知識を身に着けたいという方向けに、3つの項目をご紹介します。

  • 外壁材の知識
  • 塗料の知識
  • シーリングの知識

会社によっては教えてくれない細かい知識まで説明していますので、是非ご覧頂いて、今後の外壁塗装に活かしてください。

外壁材の知識

今、ご覧いただいているあなたのお家にはどんな外壁材が使われていますか?

当社にお問い合わせ頂くお客様の中には「建てたのが結構前だから、どんな材料だったか忘れちゃいました」なんて方も沢山います。もちろん当社のスタッフが見ればすぐわかりますが、ご自身で判断したいという方は、是非参考にしてみてください。

ちなみに、外壁塗装を行う際は【外壁にどんな材料を使ったのか】が意外と重要な項目になります。

それは、外壁材の種類によって、塗料に向き不向きがあるからです。

ここでは、ご自宅の外壁材がわからない・我が家の壁にはどんな劣化が出やすいの?など、外壁材について詳しく知りたいという方向けに説明しております。

外壁材の種類

現在、日本で多く使用されている外壁材は大きく分けて4つです。

  1. モルタル
  2. サイディングボード
  3. ALCボード
  4. タイル

更に細かく分類される外壁材もありますので、順番に説明してきます。

1,モルタル

日本では1990年より前に主流となった外壁材で、素材はセメント・砂・水を混ぜ合わせたものになります。お家を建てる時は、職人が手作業で仕上げるため、その職人の技術によって仕上がりや耐久性に差が出ます。

モルタル外壁のメリットはデザインの自由度がかなり高い事で、仕上げ方法によって外壁の風合いが変わってきます。

モルタル外壁の様々な仕上げ方と特徴

種類壁の特徴劣化の特徴
左官仕上げ
(ジョリパットなど)
・職人が手作業で模付け
・模様の種類も幅広くデザインの自由度が高い
・細かいひび割れを起こす
・劣化状態が判断しにくい
・コケ・カビ・汚れが付きやすい
リシン吹付・マットな質感
・比較的安価な初期費用
・ひび割れしやすい
・コケ・カビ・汚れが付きやすい
リシン掻き落とし・重厚感のある仕上がり
・通気性が高い
・コケ・カビ汚れが付きやすい
・ひび割れがしやすい
スタッコ吹付・高級感のある仕上がり
・ひび割れがしにくい
・ひび割れ
・凹凸があるため汚れが溜まりやすい
(コケ・カビ含む)
吹付タイル・立体感のある仕上がり
・ひび割れしにくい
・汚れがつきにくい
・ひび割れ
・凹凸があるため汚れが溜まりやすい
(コケ・カビ含む)
弾性リシン・通常のリシンよりひび割れしにくい
・メンテナンス時、塗料選びに注意が必要
・ひび割れ
・コケ・カビ・汚れが付きやすい

モルタル外壁のデメリットは、劣化するとひび割れを起こすことです。

上の表の通り、仕上げ方法によってはひび割れが起きにくいものもありますが、それでも他の外壁材よりはひび割れを起こす確率が高いです。モルタル外壁は乾燥によって収縮を起こすため、それがひび割れの原因の一つとなります。さらにお家を建てる際に施工してくれた職人の技術によって耐久年数に大きな差がでてしまいます。

どちらにしても、いずれかのタイミングでひび割れを起こしてしまうのが、モルタル外壁のデメリットです。

初期の小さなひび割れでしたら、外壁塗装の際に塗膜でコーティングされるため仕上がりにそこまで影響しませんが、大きく深いひび割れが起きている場合には塗装後の見た目にも影響してきます。ひび割れの部分をシーリング材で埋め補修したり、場合によっては左官という大がかりな工事に繋がる場合もありますので、大きなひび割れがある場合には一度外壁のプロに見てもらう事をオススメします。

【モルタル外壁劣化の種類】

  • 色褪せ・チョーキング
  • コケ・カビ・汚れの付着
  • ひび割れ(クラック)
  • 爆裂

爆裂以外の劣化の確認方法は別ページで説明しております。

《要注意》外壁の爆裂とは

【お家の壁に穴が開いいる状態】です。

今、お家の壁に穴が開いている方は、なるべく早くメンテナンスをしてあげてください。理由は、穴から直接雨水が入って内部にある外壁材を傷めてしまうからです。

穴が開いているのは流石にまずいかな…と感覚的にわかるとは思いますが、今住んでいるお家でこれからも長く住んでいきたいという方は今すぐにでも外壁塗装や補修工事を検討してあげてください。

勿論、工事をしなければすぐにお家が崩れてしまうという話ではありません。しかし、劣化のレベルでいうとかなり危険度が高い状態です。出来るだけ長く・安心してお家に住んでいく為にも必要な工事を出来るだけ早く行ってあげて下さい。

2,サイディングボード

現在の日本の戸建て新築住宅は約80%がこのサイディングボード(窯業系)を使用しています。有名なメーカーはケイミューや、ニチハです。

サイディングボードの種類によって原材料や塗り替え目安が異なります。(金属系サイディング:ガルバリウム鋼板以外の場合はメンテナンスが必要)

種類原材料塗り替え目安
窯業系サイディングセメント・繊維質築7~10年
金属系サイディングガルバリウム鋼板(主流)など基本的にはメンテナンス不要
樹脂系サイディング塩化ビニール樹脂基本的にはメンテナンス不要
木質系サイディング木材築8~10年

※金属系・樹脂系サイディングは基本的にはメンテナンスが要らないため、ここでは割愛します。しかし、劣化が絶対に出ないという話ではありません。劣化が出始めた場合はご相談下さい。また、木質系サイディングもシェア率が低い為、割愛します。

※サイディングボードの厚さは14㎜・15㎜・16㎜・17㎜と様々で、一般的に多く使われているのは14㎜・16㎜です。少し前までは12㎜のサイディングボードも存在しましたが、2008年頃にJIS規格の改正により、12㎜のボードは販売停止となりました。

ちなみに、窯業系サイディングにも木目調のデザインがありますので「我が家はどれに当てはまるのかわからない」と言う方は、当社までお気軽にお問い合わせください。

★窯業系サイディングボード

窯業系サイディングのシェア率はかなり高いです。理由は、既に出来上がったボードを組み立てることで、従来の方法(モルタル外壁など)より短期間で施工が可能になったことと、費用が比較的安いことがあげられます。

サイディングボードは、組み立てる際にボードとボードの間にシーリング材というゴム状の材料を流し込み接着しています。

【窯業系サイディングボードの劣化】

  • 色褪せ・チョーキング
  • コケ・カビ・汚れの付着
  • シーリングのひび割れ
  • シーリングの剥がれ
  • ボードのひび割れ
  • ボードの浮き・反り

劣化写真はこちらからご覧ください。

シーリングの必要性についてはこちらからご覧ください。

《要注意》ボード劣化について

窯業系サイディングに含まれる繊維質とは、身近なものに例えると文字を書いたりする【紙】に近いです。

紙を水で濡らし、乾かすと元の形には戻らないですよね?それと同様でサイディングボードも雨水を吸って乾いてを繰り返す事で徐々に形が変形していきます。

サイディングボードはビス(釘)を使って壁に張り付けられているので、変形に耐えられずビスの近くからひび割れを起こし、そのまま放置しすぎると、壁全体がデコボコして見えたり(ボードの浮き・反り)ひどい場合にはボードが真っ二つに割れてしまったりします。

ボードが真っ二つに割れたり、大きく欠けたりすると、その部分だけサイディングボードの張り替え工事をしなくてはいけなくなる場合もあるため、そうなると【サイディングボードの張り替え】という別途の工事が必要となりプラスで費用がかかってきます。

築15年以上のお家では、今は販売していない12㎜のサイディングボードを使用している場合もあります。その場合でも、張り替え工事は行えますが、厚みが違うためその部分だけ浮いてしまう可能性があります。

サイディングボードに大きなヒビが入っていたり、お家の外壁全面が不自然に見えたりする場合には出来るだけ早い段階で、メンテナンスを検討してあげて欲しいです。

3,ALCボード(軽量気泡コンクリート)

元々は海外で開発され、1962年に日本でも導入されました。有名なメーカーは旭化成です。別名で石膏ボードやパワーボードとも言われれおり、パワーボードはヘーベルハウスが販売しているものになります。

ALCボードはサイディングボードよりもかなり厚みがあり、厚さ35㎜~75㎜まであります。大きなビルなどにも使われている外壁材で建物の構造によってボードの厚みが変わっていきます。戸建ての木造のお家の場合が、35㎜・37㎜が使用されている場合が多いです。

ALCボードの特徴は、耐久性(長く持つ)・耐火性(燃えにくい)・断熱性(住みやすい温度)・遮音性(音を吸収)が優れていることです。外壁材の中でもかなり優秀で、外壁業界の人たちもALCボードにしたいと言うくらいです。

耐久性も良くて、これだけ優秀なので、メンテナンス不要です!と言いたいところですが、大きなデメリットがあります。

それが【水に弱い】ことです。

ALCボードのALCは【軽量気泡コンクリート】の略でボードの中に小さな気泡(穴)が開いています。そのため他の外壁材に比べると水分を含みやすいです。もちろん、新築時は塗装が効果を発揮して防水性を保っていますが、経年劣化により徐々に塗装の防水性も低下していきますので、定期的なメンテナンスで防水性を維持していかなくてはなりません。

他にも、ALCボードは沢山の目地(ボードとボードのつなぎ目)があり、そこにシーリング材というゴム状の材料を使っています。それにより耐震性が高いのですが、シーリング材は紫外線で徐々に硬くなり割れてきますので、その割れた目地から水が浸入する可能性があります。

何より、メンテナンスの際にその目地も補修しなくてはなりませんので、モルタル外壁やサイディングボードに比べるとメンテナンス費用が少し高くつきます。ちなみに、サイディングボードにも目地がありますが、ALCボードとの違いについては【シーリング材の知識】で説明していますので、是非そちらもご覧ください。

ALCボードの劣化

  • 色褪せ・チョーキング
  • コケ・カビ・汚れの付着
  • シーリングのひび割れ
  • シーリングの剥がれ
  • ボードのひび割れ
  • 爆裂

爆裂以外の劣化の確認方法は別ページで説明しております。

《要注意》外壁の爆裂とは

【お家の壁に穴が開いいる状態】です。

今、お家の壁に穴が開いている方は、なるべく早くメンテナンスをしてあげてください。理由は、穴から直接雨水が入って内部にある外壁材を傷めてしまうからです。

穴が開いているのは流石にまずいかな…と感覚的にわかるとは思いますが、今住んでいるお家をこれからも長く住んでいきたいという方は今すぐにでも外壁塗装や補修工事を検討してあげてください。

勿論、工事をしなければすぐにお家が崩れてしまうという話ではありません。しかし、劣化のレベルでいうとかなり危険度が高い状態です。出来るだけ長く・安心してお家に住んでいく為にも必要な工事を出来るだけ早く行ってあげて下さい。

4、タイル

タイル自体はとても耐久性が高いですが、タイル以外の周りの材料が劣化してきたりします。

タイル自体も割れたり、浮いたりなどの経年劣化が起こる可能性がありますので、その部分の補修や、美観を向上させるための塗装・タイルの浮きを確かめる打診検査が必要になってきます。

【タイルの劣化】

  • 汚れ
  • シーリング材の割れ(つなぎ目)
  • タイルの剥がれ
  • タイルの浮き
  • タイルのひび割れ

劣化が出てきた場合は、基本的に外壁塗装ではなく補修工事を行う形になります。美観の向上を目的とした塗装も出来ますが、タイル自体の耐久性とはあまり関係がありません。タイル外壁でお困りの方は直接プラネストホームズまで、ご相談ください。

塗料の知識

外壁塗装に使う塗料は日本国内だけでも数百種類あります。これだけ種類が豊富だとお客様も一つ一つの特徴を見つつ選ぶのは至難の業です。基本的に、外壁塗装を行う際はどの会社も【お客様の要望を聞いて、それに合う塗料】を選定して提案していると思います。

そんなこと言われても「これだけ持ちますよ!」って言われて、すぐ不具合が起きたらどうしよう...なんて思いもあるはずです。

そのような気持ちを少しでも払拭するために、ここでは3つの項目に沿って説明します。

  • 塗料とは
  • 塗料のグレード
  • 塗料の耐久年数の確認方法

塗料とは

塗料は、色をつけるための【顔料】・機能を追加するための【添加剤】・耐久性を高めるための【合成樹脂】で出来上がってきます。

【顔料】は色をつけるためのものですが、塗料の中に必ず入っているわけではありません。サイディングボードの柄(デザイン)を活かすために【クリヤー塗料】と呼ばれる無色透明の塗料も存在します。

【添加剤】は塗料の機能を追加するためのものですが、代表的な機能の一部を紹介します。

  • カビ・コケ・汚れ・壁が腐食するのを予防する機能
  • 塗装後の光沢感をなくす機能(艶消し・マット仕上げ)
  • 塗料の柔軟性を向上させる機能
  • 塗料のくっつく力を向上させたり、塗料が流れ落ちるのを防止する機能
  • 色むらを防止する機能
  • 乾燥してからの気泡跡(塗膜の細かい穴)の発生を防止する機能  など

塗料は数百種類ありますので、商品によってどんな添加剤が入っているかは異なります。

【合成樹脂】は塗料のグレード・耐久性などの品質を決める主な成分になります。外壁塗装を行ったら、なるべく次のメンテナンスまで間を開けたいというのがお客様の本音だと思います。

使用する塗料のグレードで、次のメンテナンスの時期が決まると言っても過言ではないくらい重要ですので、次で詳しく説明します。

塗料のグレード

※このグラフは、私達が長年この業界で様々な人とお話していく中で集めたリアルな情報を元に作成しています。一般的にインターネットで出回っている耐久年数よりも辛口な場合がありますが、予めご了承ください。

★アクリル塗料・ウレタン塗料

お家を購入する際、外壁の塗料について特に指定をしていなければ、この2つのどちらかの塗料を使っている場合が多いです。どちらも耐久年数は10年未満になっております。そのため、お家を建てる際にほとんどの方が【10年に一度メンテナンスをしてあげてくださいね】と声を掛けられるわけです。

そしてこの塗料は塗り替えメンテナンス時の使用はオススメしません。

費用は安く済みますが耐久性が短いため、数年後には傷みが出てくる可能性が高いです。長く住むことを考えるとデメリットが多いので、この塗料でのメンテナンスは避けることをオススメします。

もし、お家を売りに出す目的で外観を綺麗にしたかったり、お家の色を定期的に変えていきたい方はこの塗料でのメンテナンスでも問題ないと思います。

☆シリコン塗料

メンテナンスに適した塗料の中で比較的安い費用で工事ができ、なおかつ耐久年数もそれなりに良い為、外壁塗装ではメインで使われるグレードの塗料です。

しかし、需要が高いからこそ、色々なシリコン塗料が売られており耐久年数もバラバラです。塗料の耐久年数については、次の項目の【塗料の耐久年数の確認方法】で詳しく説明をしますが、まずはしっかり【商品名】を把握しましょう。

☆遮熱塗料

日光を反射することで、お家の中の温度の上昇を防いでくれる塗料で、夏場の節電などに繋がります。

省エネにもなりますので、自治体によっては補助金を出しているところもありますが、外壁塗装の補助金は規定が厳しい場合がありますので、要注意です。(例:築30年以上で耐震工事を含む…など)

☆ラジカル塗料

【ラジカル制御塗料】と呼ばれることが多く、ラジカルとは塗料に含まれる顔料(色を付ける成分)に酸素や雨水・紫外線などが触れることにより発生する劣化の原因となるものです。このラジカルが起こると塗膜が劣化しチョーキングなどの原因となります。

これを塗料で【抑制】し、劣化を引き起こしにくくする塗料です。汚れにも効果的なので外観を長く綺麗に保って行きたい方はオススメの塗料です。

ただし、選べる色が少なかったり、他の塗料に比べると割と新しい種類のグレードのため、まだまだ実績が少ないというのがデメリットです。

☆フッ素塗料

フッ素塗料は、蛍石(鉱物の一種)が原料になります。そこにフッ素樹脂を混ぜ合わせた塗料です。

他の塗料に比べると塗膜が少し硬めですが紫外線に強く、かなり優れた耐久性を持っているため、東京スカイツリーや、なんばパークスなどの大きな建造物に使われています。

その他にも親水性といって外壁に付いた雨水が壁の表面で広がる事で、外壁の汚れなどを一緒に洗い流してキレイにしてくれる性能があったり、酸性雨に強かったりするため、トータルコストを抑えたく、予算を高めに設定している方にはオススメの塗料です。

☆無機塗料

有機物・無機物の無機から名付けられています。紫外線が強い屋外にプラスチックなどの有機物を長期間放置すると、割れてきたりで劣化しますが、窓ガラスのガラスは、ずっと紫外線を浴びているのに自然に割れたりはしません。ガラスは無機物なので、紫外線で劣化しないからです。

無機塗料は、塗料の中にセラミックやガラスなどの無機物を混ぜて作られており、紫外線で劣化しにくいように作られています。耐久性が高い分、最初にかかる費用がかなり高額になりますが、耐久年数が短い塗料で定期的にメンテナンスをしていくのと比べるとトータル的なコストパフォーマンスはかなり高いです。

しかし、無機塗料で塗装をしたからと言って、今後絶対ノーメンテナンスで過ごせるわけではないので注意が必要です。塗料だけ良い物にしたとしても、その他の材料の耐久年数が低ければ、結局メンテナンスが必要になりますので、高耐久な物を選ぶ時は担当者と良く話合い決めて行ってください。

まとめ

塗料のグレード耐久年数メリットデメリット
アクリル3~5年・費用が安い
・定期的な色変えに向いている
・汚れやすい
・耐久性が低い
・ひび割れしやすい
ウレタン5~8年・費用が安い
・塗膜が柔らかい
・定期的な色変えに向いている
・紫外線に弱い
・汚れやすい
シリコン8~10年・透湿性がある
・汚れが付きくい
・ひび割れしやすい
遮熱10~15年・室内の温度の上昇を防ぐ
・節電などに繋がる
・費用が若干高い
・遮熱性能は劣化と共に落ちる
ラジカル12~15年・チョーキングを防げる
・汚れにくい
・雨や紫外線に強い
・実績が少ない
・選べる色が少ない
フッ素18~20年・雨や紫外線に強い
・汚れが落ちやすい
・耐久性が高い
・価格が高い
・少し表面が硬い
無機20~25年・耐久性が高い
・コケ・カビ・汚れがつきにくい
・燃えにくい
・価格が高い
・表面が硬い

《要注意》セラミック塗料

外壁塗装業界では一時【セラミック】という塗料が流行りました。

セラミック塗料とは塗料に砂や小石のような小さな固形物(セラミック成分)が含まれているものです。小さな固形物には色がついているため、多色となり天然石のような高級感のある見た目に仕上がります。

素敵な外観に仕上がる反面、固形物が入っているため表面に凹凸ができ、汚れが付着しやすいです。耐久年数はセラミックと一緒に含まれる塗料のグレードによって変わりますが、どちらにしても表面の凹凸によって早い段階で汚れがつき目立つため、長く綺麗な状態を保ちたい場合はオススメ出来ません。

次回メンテナンス時にも注意が必要となる場合が多いため、セラミック塗料を検討中の方はその塗料のクチコミなどをしっかり確認し、納得してから工事を進めるようにしてください。

塗料の耐久年数の確認方法

奥様

10年持つって言われたのに、もう劣化してきて困っています

挨拶周りに伺った際にご近隣の方から聞いた言葉です。この方は、数年前に別の会社で外壁塗装を済ませておりました。近くで外壁塗装が始まる事を知ってご自宅を改めて見て劣化が出てきていることに気付いたそうです。これもよく聞く話なんです。

まず、これを避ける為には、見積書に【塗料の商品名】しっかり明記してもらってください。

見積書の見方は、別のページでわかりやすく説明しています。

ちなみに、私達が考える【良い会社】とは、塗装会社から塗料メーカーの資料を使って細かい説明があったり、信憑性の高いサイトをインターネットで検索しお客様に隠さず見せられる会社です。

しかし、実際は全てがそのような会社ではありませんし、担当者が言っていることを信じていいのか不安な時もあると思います。使う塗料の商品名さえわかれば、お客様自身でもしっかり確認できる方法がありますので、是非参考にしてみて下さい。

  • インターネットで商品名を検索
  • 促進耐候性試験とは
  • 屋外暴露試験とは

まずは教えて貰った塗料の商品名をインターネットで検索してみて下さい。その商品を出している塗料メーカーが塗料について説明しているページがあるはずです。そのページから【促進耐候性試験】または【屋外暴露試験】の、どちらかを探してください。

促進耐候性試験と屋外暴露試験とは

この2つを説明する前にまずは、耐候性ってなんだろう?という話をします。耐候性は日本産業企画(JIS規格)でこのように定められています。

JIS K 6900より抜粋

耐候性とは、材料を光、風、雨などの屋外条件下で、暴露した場合の耐久性のこと

簡単に言えば【耐候性】=【耐久性】というようなイメージです。なるべく正確な塗料の耐久年数を出すためには、この耐候性に関する試験をしなければ信憑性に欠けてしまうという話になります。多くの塗料メーカーは塗料の耐久年数を正確な年数で売るために【促進耐候性試験】や【屋外暴露試験】を行っているわけです。

2つの試験の違い

試験名試験場特徴
促進耐候性試験室内実際の自然環境よりも厳しい環境を屋内で人工的に作り出し短期間で塗料の状態の変化を観察する
屋外暴露試験屋外天候状態が厳しい屋外環境で塗料の状態の変化を観察する(北海道や宮古島など)

促進耐候性試験の方が短期間で結果がわかるため、塗料の種類にこちらの試験しか行っていない場合もあります。しかしあくまでも室内で行った試験の結果ですので、実際の環境に近く、信憑性が高いのは【屋外暴露試験】です。

試験の違いの次は、試験結果の見方です。両方の試験は通常の環境よりも厳しい状態で試験をしているため、試験結果がわかりやすく「何年持ちますよ!」という表記ではありません。

【一年間を○○時間相当として何年持ったか】という表記をしているはずです。

例えば、1年間を300時間として、試験結果では3000時間持ったので、耐久年数は10年程というような感じです。さらに難しいのが、この耐久年数は【劣化しているお家に塗装を行って出した試験結果では無い】ということや、【JIS規格が定める劣化基準のラインまで行った時の結果】ということです。この部分はもっと難しくなるため、当社の活動日記で豆知識として今後紹介していきます。

ある程度、塗料の試験についてご理解いただけたでしょうか?

外壁塗装の難しい所は、お家の立地条件などによって耐久年数が変わり断言できないところです。当社は、経験のあるスタッフが多いため、その経験を活かし、お家の立地条件・経年劣化状態などから判断し少し辛めに耐久年数をお伝えいたします。

これから先も当社で外壁塗装をやってよかったと思って頂けるよう、努めてまいります。

シーリングの知識

シーリングとは、外壁の隙間に使用されているゴム状の材料のことを指します。

サイディングボードのお家には縦に少し太い線が何本も入っていて、ALCボードのお家には縦と横に太い線が何本も入っています。それが目地と呼ばれ、その中にシーリング材が使われています。モルタル外壁にはボード系のような形でシーリングは入っていませんが、まれに【押し目地】といって、線が入っているお家があります。この【押し目地】には本来シーリングは入っていませんが、ひび割れを起こしやすい部分のためメンテナンス時にシーリングを流し込み補修を行う場合があります。また、窓回りなどのつなぎ目に使用されていますので、外壁のメンテナンスを行う際には欠かせない材料です。

ボード系のシーリングは要注意

サイディングボードやALCボードにはシーリングが入っているという話をしましたが、塗装会社から見積書を受け取った時には、この部分に最新の注意を払ってください。特にサイディングボードのお家は、かなりの確率で【シーリング工事で失敗】されてます。

理由は手抜き工事をされやすい部分だからです。

見積書の見方は簡単です。

  • シーリングorコーキング工事と記載があるか
  • 施工方法が書いてあるか(増し打ち・打ち替えなど)
  • 数量(メーター数)の記載があるか
  • 材料名の記載があるか

この3点です。どれも欠けてはいけません。

・シーリングorコーキング

これは厳密にいえば異なるのですが、会社によって書き方が違うだけの場合もあるので、どちらかがしっかり明記されていればOKです。その欄にどのように施工するのかの記載がないものは必ず確認して書いてもらってください。

・シーリングの施工方法

施工方法の名称施工内容工事の流れ
増し打ち(打ち増しの場合も有)古いシーリングの上から、新しいシーリングを流し込む方法
打ち替えよりも耐久性は落ちるが費用は安く済む
シーリング工事を終えた後に上から塗装する
※ALCボードのメンテナンスは一般的にこの方法で施工
①プライマー
②シール養生
③シーリング打設
打ち替え古いシーリングを基本全て取り除き、新しいシーリングを流し込む方法
増し打ちよりも費用が高くつくが、耐久性が上がる
シーリング工事を終えた後に上から塗装する
※サイディングボードはこちらの施工がオススメ
①シーリング撤去
②プライマー
③シール養生
④シーリング打設
化粧打ち古いシーリングと基本全て取り除き、新しいシーリングを流し込む方法
増し打ち・打ち替えよりも耐久性が高いものがあるが費用も高くつく
塗装を行った後に施工する。
サイディングボードのクリア塗装(透明塗料)の時に使用する場合がある
耐久性が高いので、塗料の耐久性と合わせて使う場合もある
①シーリング撤去
②プライマー
③シール養生
④シーリング打設

※シーリング撤去:古いシーリングをカッターで取り除いていく作業

※プライマー:シーリングとの密着性を高める下地材を塗る作業

※シール養生:シーリングをしない部分に材料が付かないようにする作業

※シーリング打設:シーリング材を流し込む作業

上の表を見てもらえれば一目瞭然だと思いますが、増し打ちに関してはかなり費用が抑えられますし、上から新しいシーリングを流し込むため、他の施工方法を見分け辛いのです。

もちろん「増し打ちをしちゃダメ!」という話ではありません。

サイディングボードのお家でも、かなり早い段階でメンテナンスを入れてあげる場合は、元のシーリングがあまり傷んでいない場合もありますので、その時は増し打ちで施工してあげて、次のメンテナンスの時に全て替える場合もあります。

ALCボードは、シーリング材の上から塗装を施しているためサイディングボードよりは劣化がしにくいです。また、サイディングボードに比べシーリングの量がはるかに多いため、増し打ちで提案するケースがほとんどです。※劣化状態によって異なります。

・数量と材料名

サイディングボードに使われるシーリング材とALCボードに使われるシーリング材の種類は異なります。何を使ってもいいわけではないため、しっかり材料名を明記して貰ってください。数量に関しても重要です。

基本的に数量や材料名が入っていない見積書を出すところは、いい会社とは言えないと考えています。(養生などの数量を出す事が出来ない項目や足場などの材料名がない項目は除く)

施工後に何か不具合が起きて、後でお客様が手抜き工事に気が付いたとしても、書面にしっかり記入されていないと法的な措置が取れない場合があります。お客様自身を守るためにも、必ず入れてもらってください。むしろ、不十分な見積書を持ってきた会社は、その段階で検討から外すくらいの勢いでもいいと思います。

見積書の見方については別のページで説明してますので、気になる方は是非ご覧ください。


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