屋根について
ついでに屋根もメンテナンスした方がいいのかな?
外壁塗装を検討しているお客様と話していると、このような相談されることがあります。
答えはイエスです。
屋根の種類によっては、メンテナンスフリーのものもありますので、全ての方が必ずと言う訳ではありません。しかし、メンテナンスが必要な屋根材の場合、基本的には一緒に工事をしてあげるとトータルコストがお得になります。では、なぜお得になるのか。
理由は【外壁塗装の足場を利用して工事が出来るから】です。
外壁塗装の足場の費用は安いものではありません。何度も足場を立てて工事するより、なるべく一回で工事してあげる方が先々の費用は安くなります。
少し話が逸れますが、以前、お話させて頂いた方にこんな方がいました。
「お家を建ててもらった会社に外壁の工事をお願いしたんだけど、その3ヶ月後に屋根もやった方が良いって言われたんだよね。見積出してもらったけど、足場の費用高いし、なんで外壁の工事をした時に提案してくれなかったんだろう。」
この方は、大手ハウスメーカーで建てたお家に住んでいました。そして、メンテナンスは必ずそのハウスメーカーにお願いしていたそうです。しかし、それをきっかけに別の会社に工事を依頼するようになったそうです。
正直なところ、この業界にいると珍しい話ではありません。「知人に外壁塗装をお願いして凄く安かったけど、思っていたより早く屋根のメンテナンスが来て結局高くついた」とか、ざらにあります。
なぜ、このような事が起きてしまうのか。
理由は、工事を分けることで施工会社の利益が増えるからです。お客様にはなんのメリットもないのに…
屋根の提案がある会社かどうかも、会社選びのポイントになりますし、外壁の点検を行うならついでに屋根も点検してもらう事をオススメ致します。
当社では、屋根点検が無料で行えます。初めて来た会社が急に屋根にのぼったら、何をされるかわからないという不安もあると思いますので、最初の点検時は屋根にのぼりません。上まで伸びるGo-proカメラで傷みが無いか点検します。カメラで撮影しながらの点検ですので、お客様も一緒に確認することが出来ます。
屋根材の種類
屋根は大きく4つに分類されます。
- スレート屋根
- 瓦屋根
- 金属屋根
- アスファルトシングル屋根
アスファルトシングル以外はさらに細かく分けられていますが、ここではよくある屋根材をピックアップして説明していきます。
スレート屋根
スレート屋根とは、薄い板状の屋根材です。このスレート屋根は、カラーベストやコロニアルと呼んでいる会社もあります。
お家の方からするとかなりややこしいのですが、すべで【スレート屋根】のことを指しています。(正確には、スレート屋根を販売しているケイミューというメーカーが自社のスレート屋根のことをカラーベストと呼んでおり、その中にコロニアルという商品名のものがあるという感じです。)
スレート屋根の原料はセメントと繊維質を混ぜたもので、薄い板のような形をしています。この屋根材は軽いため耐震性が強く、費用も安価なため、実際に使っているお家も多いです。
ただ、板状になっているため、割れやすく耐久性や防水性が低いことがデメリットでもあります。特に屋根は外壁の中で一番、日の当たりが良いため、壁よりも劣化の進みが早いです。スレート屋根のメンテナンスは外壁と同様で【定期的なメンテナンス】が必要になります。
スレート屋根の寿命は一般的に25~30年程度と言われており、商品によって様々です。(もっと短いものもあります)
スレート屋根の一部の商品には、メンテナンス時に注意しなければならないものもあります。有名なのは、屋根材がミルフィーユ状になっていてる【パミール】や一時ニュースなどでも取り上げられた【アスベスト】が入っているものです。
詳しい内容については、当社のブログ【活動日記】でご紹介しています。
パミール屋根
瓦屋根
瓦屋根は、色々な形状や原料のものがあり、種類が沢山あります。耐久性もバラバラですが、最長で50~60年もつと言われているものもあり、全体的にみても他の屋根材より耐久性が優れています。
しかし、瓦屋根は瓦自体が重く、耐震性はあまりよくありません。また、瓦以外のルーフィング(屋根の中に入っている防水シート)や漆喰が傷むケースがあるため、瓦自体の耐久性が良くてもメンテナンスが必要になります。
金属屋根
金属屋根は、薄く長い金属の板です。種類は沢山ありますが、スレート屋根よりも軽いのが特徴です。
燃えにくく、防水性に優れていますが、熱が伝わりやすく室内の温度が上がる原因になったり、雨音が響く・断熱性が良くないなどのデメリットもあります。
種類によっては金属の特徴で錆びることもあり、錆びてしまってからメンテナンスを行う場合は、ケレン作業(サビを削る)が必要になったり少し手間がかかります。
アスファルトシングル屋根
アスファルトシングルとはガラス基材にアスファルトを浸透させ、表面に色のついた石の粒を吹き付けて作られたものです。
ガラスと言いましたが、アスファルトシングル自体は柔らかく、ひび割れしにくいです。屋根材自体の重さも軽いため、耐震性にも優れています。
しかし、表面の石の粒が強い風で飛ぶ可能性があったり、メンテナンス時に溶剤塗料(油性)を使うと屋根材に含まれるアスファルトが溶け出してしまうため注意が必要です。
塗装を検討している場合は、水性塗料であることを確認し工事を進めて下さい。
人気!屋根リフォーム BEST3
ここからは、現代の主流の施工方法から従来の施工方法まで屋根のリフォーム工事についてご説明します。
まず、屋根リフォームは3つの工事方法があります。
- 金属屋根カバー工事
- 屋根塗装工事
- 葺き替え工事
費用対は【(安)屋根塗装工事<金属屋根カバー工法<葺き替え工事(高)】と、こんな感じです。
災害対策 金属屋根カバー工法
今、主流になり始めている【金属屋根カバー工法】という施工方法をご存じですか?
簡単に言うと、今ある屋根材の上から金属屋根を被せて施工する方法です。ではなぜ、この金属屋根カバー工法が主流になって来たのか。
それは、風災が多いからです。
台風などの強風で屋根が飛んで行ったなんてニュースを見た事はありませんか?そういう被害を出来るだけ最小限にするために、この施工方法が生れました。では【金属屋根カバー工法】とは、どんなものなのか。下のリストに沿って説明していきます。
- 金属屋根カバー工法とは
- 施工方法
- 注意点
金属屋根カバー工法とは
カバー工法は現在の屋根の上から、軽い金属屋根を被せる工事方法です。ここからは【カバー工法】と略してお話させて頂きます。
カバー工法のメリット・デメリット
メリット | 工事期間が短い 中の材料を傷めなくて済む 古い屋根を剝がす必要がない 屋根を剥がして施工するより費用が安い 断熱効果がある |
デメリット | 塗装よりも費用が高い 工事前に比べると屋根が少し重くなる 一部の材料は部分的な補修が難しい 劣化が激しい場合には施工できない |
新しい屋根を被せるというと、大がかりな工事に聞こえるかもしれませんが、工事期間はそこまで長くありません。基盤となる屋根内部の素材を傷めることもないので安心です。反対に既存の屋根が内部まで傷んでしまっていたら、カバー工法を行ったとしても意味がないため、その場合は葺き替えで屋根を全て交換しなければなりません。
金属屋根カバーの施工方法
カバー工法が施工可能な屋根材である場合の施工の流れは下の通りです。
- 棟板金の撤去を行う
- 棟板金の下地の取り外し
- ルーフィング(屋根の中にある防水シート)を敷いて行く
- 鋼板チップに釘を打ち付けて防水シートの張り付け作業
- 軒先とケラバに板金を取り付ける
- 金属板を張り付ける
金属屋根カバー工法の注意点
かなり有能な【金属屋根カバー工法】ですが、注意点もあります。それは瓦屋根には不向きという点と、太陽光パネルには注意しなければならない点です。
表面が平らでないと被せられない場合があるため、瓦屋根などには適していません。瓦屋根を金属屋根に変える場合は【葺き替え工事】を行う場合がほとんどです。
太陽光パネルについては、施工可能な屋根材であっても屋根に太陽光パネルが乗っている場合については施工時に細心の注意を払わなければなりません。理由は【太陽光を取り付けるための材料が変わってしまうから】です。
詳しい内容については、当社のブログである【活動日記】にて詳しくご紹介しています。
太陽光パネルの金属屋根カバー工法
定期メンテナンス 屋根塗装工事
現在は屋根カバー工法が主流になり始めていますが、塗装をされる方も多いです。
理由は、他の2つの工事に比べると費用も比較的安いため、劣化の少ない屋根のお家で風災もそんなに気にならないという方は塗装を選ぶ場合が多いです。
ここからは【屋根塗装工事】について説明していきます。
- 屋根塗装工事とは
- 施工方法
- 注意点
屋根塗装工事とは
屋根塗装工事は、経年劣化で傷んだ屋根材の防水性を高める工事です。
メリット | 他の施工方法よりも費用が安い 工事期間が短い 防水性が高まる 屋根の寿命を延ばす 外観を綺麗にする |
デメリット | 色褪せしてくる 新築時のように戻す工事ではない |
選ぶ塗料によっては遮熱効果が付いているため、夏場に室内の温度を少し下げる事が出来ます。
屋根の状態によっては塗装をしても効果を発揮できない場合がありますが、築年数がそこまで経っていなければ塗装だけでも問題が無いことがほとんどです。それでも屋根材自体を新築時のように戻す工事では無いため、定期的なメンテナンスが必要となります。
屋根塗装工事の施工方法
一般的な屋根塗装工事の施工の流れは下の通りです。
- 屋根の汚れを高圧洗浄で洗い落とす
- 割れなどの劣化がある場合は補修作業を行う
- 下地材を塗る
- 中塗りを行う
- 上塗りで仕上げ作業を行う
屋根塗装工事の注意点
スレート屋根に塗装をする際は注意が必要です。理由は本来屋根材の間に隙間が空いていなければならないところを塗膜でふさぐことによって、雨水が溜まりやすくなり不具合が起きてしまう場合があるからです。
このようなトラブルが起きないためには【タスペーサー】という縁切り作業が必要です。こちらの詳しい内容については、当社のブログである【活動日記】でご紹介しています。気になる方は是非ご覧ください。
タスペーサー 縁切り
屋根を新しくする 葺き替え工事
葺き替え工事を検討する方はあまり多くありません。他の屋根リフォームよりも費用が高く出来るだけ葺き替えずになんとかしたいという方がほとんどです。
葺き替え工事に向いているのは、屋根材が寿命を迎えていたり、屋根材の重さを軽くしたいという方です。
ここからは【葺き替え工事】について説明していきます。
- 葺き替え工事とは
- 施工方法
- 注意点
葺き替え工事とは
葺き替え工事とは、今ある屋根材を全て剥がし、新しい屋根材に変える施工方法です。
メリット | 屋根材自体が新しくなる 屋根材を軽くすることができる |
デメリット | 中の材料を傷める可能性がある 大がかりな工事になり工事期間が長い 費用が高い アスベストが入っている場合は注意が必要 |
古い屋根材を全て剥がして新しい屋根にするため、中のルーフィング(屋根の中にある防水シート)なども新しいものになり耐久性が復活します。
しかし元の屋根を剥がす作業が必要なため、費用はかなり高いです。ちなみに金属屋根カバー工法も新しいルーフィングを敷き、新しい屋根(金属屋根)を被せるのですが、葺き替え工事はそれにプラスで古い屋根材の撤去費用などが掛かりますので、金属屋根カバー工法よりも費用が高くなります。
瓦から別の軽い屋根材に交換する目的でしたら、オススメ出来ますが、元々軽い屋根材を使っていて尚且つ酷い劣化が出ていない場合に葺き替え工事をするのは少し勿体ないと思っています。
葺き替え工事の施工方法
一般的な葺き替え工事の施工の流れは下の通りです。
- 古い屋根材を全て撤去する
- 野地板を取り付ける
- ルーフィング(防水シート)を敷いていく
- 新しい屋根材の取り付け
葺き替え工事の注意点
葺き替え工事の際には【アスベスト】の入った屋根材に注意をしてください。
アスベストとは過去に健康被害が出た鉱物繊維です。これを含んだ屋根材は今は製造中止になっていますが、これから葺き替え工事を検討されていく築年数のお家にはこの【アスベスト】が使われている可能性があります。
アスベストを含んだ屋根材を葺き替え工事する場合は、古い屋根材の撤去時に有廃棄物として処分する費用が別途で上乗せになります。しっかりとした工事をしないとお家の方はもちろんのこと、ご近隣様へも被害が出る可能性がありますので、事前にご自宅の屋根材をしっかり把握することをオススメします。
最後に
今回、紹介した屋根材に対して、どの工事が出来るのか・屋根リフォーム3種のメリット・デメリットについてまとめています。
是非参考にしてみてください。
施工方法早見表
屋根の種類 | 金属屋根カバー工法 | 屋根塗装工事 | 葺き替え工事 |
スレート(平板一般) | 〇 | 〇 | 〇 |
スレート(パミール) | ◎ | △ | 〇 |
陶器瓦 | × | △ | 〇 |
いぶし瓦 | × | △ | 〇 |
粘土瓦 | × | × | 〇 |
セメント瓦 | × | 〇 | 〇 |
モニエル瓦 | × | △ | 〇 |
ガルバニウム鋼板 | 〇 | △ | 〇 |
トタン | △ | 〇 | 〇 |
アスファルトシングル | 〇 | △ | 〇 |
※△は施工可能ですが、塗装不要の屋根材だったり、注意が必要なものになります。
屋根材は細かく見ていくと様々な種類があります。状態によって施工の方法も変わってきますので、ご不明な点があれば当社までお問い合わせください。
【メリット・デメリット】
屋根工事の種類 | メリット | デメリット | 向いている方 |
金属屋根カバー工法 | 工事期間が短い 中の材料を傷めなくて済む 古い屋根を剝がす必要がない 屋根を剥がして施工するより費用が安い 断熱効果がある | 塗装よりも費用が高い 工事前に比べると屋根が少し重くなる 一部の材料は部分的な補修が難しい 劣化が激しい場合には施工できない | 風災が気になる アスベストが入った屋根材で劣化が激しい |
屋根塗装工事 | 他の施工方法よりも費用が安い 工事期間が短い 防水性が高まる 屋根の寿命を延ばす 外観を綺麗にする | 色褪せしてくる 新築時のように戻す工事ではない | 劣化がそこまで進んでいない 定期的にメンテナンスをしていく 色を定期的に変えたい |
葺き替え工事 | 屋根材自体が新しくなる 屋根材を軽くすることができる | 中の材料を傷める可能性がある 大がかりな工事になり工事期間が長い 費用が高い アスベストが入っている場合は注意が必要 | 屋根を良い状態へ戻したい 重たい屋根を軽量化したい(瓦から他の屋根材) |
お問い合わせフォーム
個人情報の取り扱いについて
今回ご入力頂いた個人情報については、お問い合わせの対応以外で使用致しません。
電話やメールでの営業及び勧誘は、一切致しません。